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三本の巨大塔『針尾送信所』
高くそびえる謎の塔
長崎県佐世保市から西海方面に向かっていたら三本の気になる塔が見えてきます。

謎の塔の正体は『旧佐世保無線電信所施設(針尾送信所)』
日露戦争を契機として無線連絡体制の強化の為、旧日本海軍が大正7年(1918)〜11年(1922)にかけて建てた送信施設であります。

前から知ってはいたけど、塔を間近で見たことがなかったので今回行ってみることにしました。
事前に調べたら塔の内部を無料で見学出来るそうですよ。
ま、とりあえず塔に向かって行けば何とかなるだろうと進んでいたら…農道に入ってしまいましたわ。
( ̄▽ ̄;)あれ〜?!
ひとまず戻って別の道をさがす。
あ、針尾送信所の看板がありました!
駐車場に車を停めて、油庫だった建物で受付を済ませ「針尾無線塔保存会」のボランティアガイドの方に案内をしてもらう。

3基ある針尾無線塔は、いずれも鉄筋コンクリート製で高さ136m、基底部の直径は約12mの煙突のような構造。
総工費155万円(現在約250億円)、塔1基辺り30万円(現在約50億円)を費やし建てられたそうです。

今でもデカイ塔なのに、当時はもっとデカく感じただろうな。

太平洋戦争の開戦を告げた「ニイタカヤマノボレ 1208」を送信した施設とも言われています。
それじゃあ無線塔内部(3号塔)に入ってみます。
内部は思ってたより空洞で、所々にある窓穴から外の光がさして上までよく見えます。
( ̄O ̄)あれ?
よく見たら壁面にちょこちょこ落書きの跡が。
どうやら施設が使われなくなった後、一部のやんちゃな人達が落書きをしたり、内部にある梯子で根性試しに上まで登ったりしていたそうです。
塔の下からでも景色がよく見えるのに、上から見るとより遠くまで見渡せるんだろうな。

1辺300mの正三角形に配置された3基の無線塔中心には旧電信室がありますよ。

今は使われていませんが、天然の壁面緑化な建物が何ともいえません。
半地下式一部2階建ての室内は老朽化の為、当然ながら中には入ることが出来ません。

すぐそばにカビ臭い地下へと続く地下道もありますが、

こちらも立入禁止です。

いっけん廃墟のような場所ですが、平成25年3月6日に国重要文化財(建造物)に指定されています。
一時は保存か解体かで議論されていたそうですが、歴史的背景や大正期のコンクリ技術、土木や無線技術が近代遺産として認められたわけですね。
遠くからじゃなく、とりあえず来て見て良かったわ。
(  ̄▽ ̄)
■針尾送信所(旧佐世保無線電信所)
■長崎県佐世保市針尾中町
■駐車場有、見学無料
■見学時間 9時~12時、13時~16時
■見学時間は30分程
■個人(少人数)見学は事前電話連絡必要無し
■団体(20名以上)見学は事前電話連絡必要。
■見学20日前迄に針尾無線塔保存会(0956-58-2718)に連絡