『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

2014年05月15日

 しろちゃ at 14:09 | Comments(2) | 私の歩いた足あと | 鹿児島ぶら

忘れてしまう前に
「鹿児島ブラリ」の戦史館の話でも。

前回のアテなき鹿児島の話はコチラ

あれは鹿児島霧島隼人方面をぶらついて
『ドライブイン薩摩隼人と戦史館』に立ち寄った時の事。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

その時行った話はコチラで

見ての通り、食堂にしては外観が派手というか何というか、
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

前から気になっていたので、この機会に食べに行ったのでありますよ。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

ですが残念なことに現在長期休業中で、その日は食べる事が出来ませんでした。

あきらめて店の写真を撮って帰ろうとしていたら偶然店内から青いヘルメットをかぶったオジサンが出てきたじゃあ〜りませんか。

おそるおそる話しかけてみると、薩摩隼人の店主さんで、私に「ワザワザ来てくれたから」と栄養ドリンクをくれる親切なオジサンだったのですよ。

〜というのが前回までの話の流れで、
このあとオジサンから休業中の店内で色々と話を聞かせてもらいました。(中に入るとわかりますが、一階、二階、さらに戦史館の離れと個人経営にしてはかなり広いです)
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

鹿児島の天文館で「軍国酒場」も経営しているオジサンは、現在体調不良の通院中で、四・五年程前から隠居生活。
今はドライブインと隣接した「戦史館(同じく長期休館中)」の展示品の整理をしているそうです。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

私が戦史館も見たかったと残念がっていると、「もうやってないがちょっとだけなら」と、奥二階の離れにある封印された戦史館を案内してもらいました。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

館内は戦前〜戦後の遺品等を集めた個人史料館。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

確かに今は工事中といってもおかしくないくらいの状態でしたが、隠居生活で時間があるので、展示品の一つ一つにわかりやすいよう説明文を書いている最中だそうです。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

館内には多くの軍服が並び、勲章や軍刀、鉄砲等が。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

軍刀は家宝なので保管状態がいいとか、鉄砲は鉄なので隠し場所によりかなり錆びてしまっているとか、当時近郊の状況を再現する為につくった戦艦ジオラマやら、模擬砲弾やらとオジサンがひとつひとつ説明をしてくれました。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

これらは品々は全て個人からの想いがつまった頂き物だそうです。

史料館から二階に戻り、改めておじさんとゆったり話をすることができました。

桜島出身の82歳、通院中のおじさんは、鹿児島の高校を卒業後、建築会社に勤務。
縦社会の言い分が通るワンマン会社の倒産後、二十代のうちに結婚。

この仕事(最初は軍国酒場)を始めるにあたって周りからはかなりの反対があったようです。
何度も強く言うていたので相当人間関係で苦労があったのだと思います。

店を始めるにあたり、店名を「猪酒場」か「軍国酒場」かどちらにするか悩んだとか。
若者は「猪」だと臭いから寄らないという事で「軍国」に決めたそうですが、これが結果的に当たったようで。
四年の歳月でコツコツ作った天文館の小さな手作り酒場はいつしか戦地に向かった先輩方が軍歌を高らかに歌う集いの酒場となりました。
以来四十年、天文館で数多くの飲食店が移り変わる中、今でも軍国酒場は現役続行中で、隠居したオジサンに代わり奥さんが酒場を続けているそうです。

酒場での思い出は数限りなくあり、
例えば「ラッパ」にしても、当時吹き方がなってないとお客から注意を受け、一ヶ月かけて練習したりと想いが尽きないという。

「お前のラッパじゃニキロ程度しか届かない」
「どこの隊のラッパかわかるくらいにラッパにも音に感情がある」

そんな感じで諸先輩方に言われた言葉が今でもひとつひとつ心に残っているそうです。

戦史館を始めるにあたっては様々な人との繋がりから全国各地へ向かい品を譲り受け、無料の戦史館を始めたという。
品々は預り展示でもよかったのだが、思いのこもった品を預かるには責任が重すぎるので全ていただいていたそうです。

いただき物でも、その品の一つ一つに相手の深い想いがあるので常に預かっているという気持ちで大事に持っているという。
ただ、見せ物のように展示するのが少し嫌だともオジサンは言うてました。

でもこれがあるからこそ今のオジサンの動きがあるのでやってよかったと思いますよ。(じゃないと今の私はココにいませんっ)

後に戦史館を親族に譲るにしても自分が各々を理解していても展示品に説明がないのでわからないから説明文を書いているとか。

現在82歳、当時賑わっていた軍国酒場も時代と共に戦争を知る人が少なくなると共に年々客も減り、今ではめったに常連客も来ることがなくなったそうですが、これからも軍国酒場を続けていくそうです。

二階から一階に移動し、カラオケの軍歌をBGMに、オジサンの話は尽きることなく更に熱くなるのでありました。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと

「またいつか来るのでそれまでお元気でいてください」

最後にオジサンと約束し、握手を交わして店をあとにするのでした。
『薩摩隼人戦史館』のオジサンと





■ドライブイン薩摩隼人&戦史館
■鹿児島県霧島市隼人町
■当分の間休業中
■天文館にて軍国酒場も営業








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この記事へのコメント
ここの近所に住むものです。
小さな頃、興味本位な父母に連れられてココに入ったことが有ります。
なんか熱気が怖くて怯えていた記憶があります。

近くにこんないい場所があるなんて知りませんでした・・・。
Posted by さいとう at 2015年07月28日 19:19
□さいとうさん

近くにお住まいとは、
わざわざコメントありがとうございます。
鹿児島は、火山灰を除けば住みやすくて良か県ですよね!(^o^)
確かに子供の頃だったらあの場所には戸惑うと思います。
大人だって近寄るには抵抗がありますから。

あの時オジサンに鹿屋の航空基地史料館をすすめられましたので、いつか行ってみようと思ってます。
その帰りにまたオジサンに会いに行く予定です。
Posted by しろちゃしろちゃ at 2015年07月30日 18:49
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